今日読んだ本の紹介です。
『世界一わかりやすい「医療政策」の教科書』を読み終えました。
政策とありますが、実際には科学の話(政策に関するランダム化比較試験や科学的検証の話)なので、実用といよりは勉強になる内容です。
恥ずかしながら政策に関する研究は完全に無知だったので、科学的根拠がなく感情的で愚かな発言をしてきたことを悔いております…
健康の自己責任論(不摂生を続けた本人が悪い)や健康的ではない食生活を送って病気になった人に、保険からお金を出して治療するのはおかしいと考えているならば、読んだ方が良いと思います。
まるまる一章使って、かなりのページ数で統計の話も出てきますが、ゼロからの解説では無いので前提知識が全くないと読みづらいかもしれません。
解説はあるものの、交絡因子、生存曲線、回帰分析などを一通り知っていた方が理解が深まりやすいと思います。
そういう意味では最低限は学んでいる医師にはハードルが低いです。
ところで津川先生の著書は、過去に『世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事』を読みましたが、こちらも大変勉強になります。
『究極の食事』は内容が易しい上に、かなり簡潔な構成になっており、基礎知識が少なくても読みやすいと思います。
私は一日で本を読み切ることは殆ど無いのですが、平日の夜の空き時間にサッと読み切ることが出来た程でした。
医師は食事に関しては実は体系的に勉強する機会はなく、一方で食事療法は多くの疾患で土台となる重要な要素です。
食事指導は管理栄養士に丸投げの人も多いでしょうが、医師と管理栄養士では見えているものが違うため、本来は別な角度からのアドバイスが必要なはず。
患者さんへのアドバイスの質を上げるためには成書や論文を読むべきなんですが、サクッと一冊だけ読むならこの本です。
また、今までは医療の素人である友人や家族に食事療法について聞かれた際には、ハーバード大学のホームページの『健康的な食事プレート』をオススメしていました。
しかし時間があって一冊本を読める人には一般の人でも『究極の食事』の本を勧めたいです。
本日紹介した本↓
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