すずねこ

 

終末期医療への想い――良い医療とは何なのか

「どう死ぬと幸せか」誰もが一度は漠然と考えることである。人間はいつか死ぬ。生きていれば、近しい人の最期にも立ち会う。多くの臨終に立ち会ってきた医療者は別の問いを持つかもしれない。「どう死ぬと不幸が少ないか」駆け出しと老練内科を志す若者、専攻...
 

メンタルを崩した循環器内科医の話

病んだり自殺した戦友を見送って覚悟はしていた。でも、どこか他人事にも感じていた。明日は我が身――そして、ついにその日が来た。落日の中でいつもと変わらないはずの家族との休日。何だか体調がおかしいので妻に車の運転を頼み、子供と後部座席に座った。...
循環器一般

散歩の科学

たかが散歩と侮ることなかれ。散歩の科学的メリット脳機能創造性の向上:スタンフォード大学の研究では、散歩中や散歩直後に創造性テストのスコアが高くなることが示された。記憶力の維持:週3回40分のウォーキングにより海馬の萎縮を抑制した。記憶の長期...
虚血性心疾患

ストロングスタチンとは何なのか

ストロングスタチンは診療の中でしばしば耳にする単語ですが、実は分かったような分からないような言葉だと思います。少し掘り下げてみようと思います。High-intensity statinという概念の輸入もともとhigh-intensity s...
コラム

医療は「スーパーマン」頼みで良いのか? チェックリストが生む本当の価値

チェックリストは面倒で、儀式的に思えるかもしれません。しかし、プロフェッショナルであればあるほど、それを疎かにはしません。手術の合併症の約半分はavoidable(回避可能)と言われています。ハーバード大学の外科医アトゥール・ガワンデ先生は...
大動脈疾患

心タンポナーデと緊急心嚢ドレナージ

心タンポナーデは即座に心停止するリスクがある恐ろしい疾患です。初期の立ち回りが予後に大きく影響すると思います。 ただ、心嚢液がある≠心タンポナーデである点には注意が必要です。心タンポナーデになるかどうかは心嚢液の貯留するスピードが大事です。...
心不全

軽症の心不全入院では尿量測定は不要かもしれない

心不全で入院!利尿剤注射!となると何となく尿測もセットで行いたくなりますし、実際ルーチンで行われる事はあるでしょう。しかし、その尿測は本当に必要でしょうか。自覚症状が強くて動けなかったり、CCU/ICUに入るほどの重症例で尿バルーンが入って...
循環器一般

研修ローテ中のつまらない助手を楽しむ工夫

研修医で各科をローテすると、どうしても避けられないのが手術の助手。例えば循環器内科だと心臓カテーテルの助手として清潔野に入らされます。透視の画面を見ても何が行われているか分からず、循環器内科医達は意味不明な略語でやり取りをしています。時々、...
心不全

心不全患者の輸液本体には生食?ブドウ糖液?

心不全患者の輸液の本体には何を選びますか?過剰な輸液は害になるため一日一回の静注薬の使用だけならルートロックを選択することもあるでしょう。しかしカテコラミンや他の薬剤など輸液本体がキープのために必要な場面も多いです。仮に10ml/hとしても...
日常

不整脈専門医がいない施設でのアブレーション治療

私は不整脈専門医では無いものの、循環器内科医としての嗜みとして多少のアブレーションの勉強はしています。今の勤務先は不整脈専門医がいないためクライオが使えず、手頃なPafも高周波で治療しています。不整脈専門じゃない人ほどクライオの方が良い気が...