先日Twitterで画像を挙げところ、皆さんに沢山の『いいね』をいただけました。ありがとうございます。
循環器内科は一分一秒を争う病気も多く、コンサルトするときには最初に要点を伝えることがポイントです。
すなわち結論から話すということです。
①何の病気か
②緊急事態かどうか
これを最初に述べた上で、病歴や検査所見を話し始めるとスムーズかと思います。
現病歴から話す人がいますが、その情報の大半は電話で伝える内容ではありません。
多くの場合、緊急疾患であれば電話で長々と話すことはなく、主な用件を聞いてすぐに現場に向かうことになります。
例えば急性心筋梗塞(STEMIの場合)の場合。
一言です。
「STが上昇しています」
これが伝われば十分です。
ST上昇型の心筋梗塞では、早い治療が予後を改善しますので診療のスピードが求められます。
そのため胸痛患者では、来院から10分以内に心電図を取ることがガイドラインでも推奨されています。
すなわち、電話をかける時点で問診は不十分で構いません。
もちろん他の情報があるならば移動しながら聞きますし、まだ情報収集が不十分であれば一旦電話を切りますので、循環器内科医が現場に向かっている間に可能な範囲でお願いします。
一方で、具体的な診断がつかない場合もあると思います。
むしろ、こちらの方が悩まれるケースが多いでしょう。
わからない、けれども診てもらいたい…そういう場合は緊急事態である旨をしっかりと最初に伝えて下さい。
血圧が60台のショックですが原因が不明です。心臓をみてもらえますか
このようにバイタルの異常などを理由に呼ぶことも当然あります。
胸痛・冷汗で受診された人で心電図は所見が無さそうですけど自信がありません。かなり苦しそうで、一度みてもらえますか?
こういうパターンも良いと思います。
心電図の読影は専門外では困難なことも多いですので、分からないことは問題ではありません。
さらに心電図に拘りすぎると、大動脈解離のような別の緊急疾患を見逃す可能性もあり、慣れた医師が早めに診察することが大事だと思います。
実際に急性冠症候群の疑いで呼ばれ、大動脈解離の診断となるケースはあります。
心電図の読影も含めて、分かったようなフリをするよりも「分からない」と正直に話した方が良いです。
私自身も若手や研修医のころには「わからない」と伝えることには自分の勉強不足が露呈するようで怒られるのではないかと抵抗がありました。
しかし分かっていないことを誤魔化しつつモヤモヤしたまま話すと、話が長くなる割に要点が見えず、相手に意図が伝わりません。
経験上は、余計に怒られます(泣)。
循環器内科の中には、せっかちだったり、怖い先生も沢山います。夜中のコンサルトはどうしてもハードルが高いですよね。
こわ~い循環器の先生相手にも怖じけずに、思い切りも大事です。頑張って下さい。
私も循環器の端くれであり、いつもご迷惑をおかけしてすみません。
もちろん、これらコンサルトの仕方は私個人の意見ですので、各病院ごとのルールには従ってください。ルールを守らずに怒られては元も子もないですので。
しかし本日の内容で概ねは通用すると思います。
まずは結論から話す、です。
以上となります。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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